東中野のポレポレに昨日から公開された「ミャンマー・ダイアリーズ」を見に行ってきました。
10名のミャンマー人映像作家さんがクーデター後、軍に抵抗を示す人々の視点を撮影した短編を纏めたもので、2022年・第72回ベルリン国際映画祭パノラマ部門でドキュメンタリー賞を受賞した作品です。
クーデターから1~2か月はミャンマー人たちが投稿するSNSを通じてミャンマー軍の蛮行が頻繁に伝わっていたものの、軍の情報統制が厳しくなるにつれ、実際の状況がわからなくなっていました。
そういった我々が知ることができなかったミャンマーのその後を補完するようなドキュメンタリーかな?と思ったのですが、実際に映画を見てみると、
クーデター直後、クーデターに抵抗する人々がSNSに投稿した軍の蛮行(現実)と、
ミャンマー人の映像作家たちが撮影した軍に立ち向かう人々のストーリー(創作)
が境目なくゆらゆらと展開する不思議な短編集でした。
軍が人々の自由な表現活動を制限しているため、基本的に公の場(屋外)での撮影はなく室内、もしくはEAO (Ethnic Armed Organizations)が活動している地域での撮影というのも、今のミャンマーを表していました。
なので厳密に言うとドキュメンタリーとはちょっと違う?
いずれにせよ、いろいろと表現の自由が制限されており、捕まったらその後どうなるか判らない中で、軍の目をかいくぐりながら、ギリギリの判断をしながら制作したんだろうな、と言うことが十分伝わりました。
&若者(映像作家)はミャンマーの未来を諦めてないことも。
上映後、「ミャンマー・ダイアリーズ」を配給した藤元監督と渡邉プロデューサーとちょっとお話してきました。
作品を撮ったにも関わらず、匿名を強いられているこれらの10名のミャンマーの映像作家さんが、早くふつうに顔を出して受賞を喜べる日が来るといいですね。