先日、知り合いのカメラマンが1980年代にニューヨークで撮影したフィルムをPENTAX FILM DUPLICATORなるもので複写した作品を展示した写真展に行ってきました。
これはフィルムスキャナーでデジタライズしたのではなく、ポジフィルムをデジタル一眼+マクロで撮影したものらしいのですが、作品はフィルムの質感(色合いや粒状感)が色濃く反映され、撮った時代のノスタルジー感を引き立てており、自分も久しぶりにフィルムで撮ってみたくなったりして・・・。
それより何より、地道にフィルムスキャンしていた自分にとっては、過去のフィルムをこういった方法でデータ化する方法もあるんだ、とちょっと気になる手法でもあり。
PENTAX FILM DUPLICATORの体験会も合わせて行われてたので、自分もポジを1枚複写してもらいました。
最初のセッティングに多少時間がかかるけど、セッティングが決まってしまえばあとはパシャパシャ撮るだけなので、スキャンと比べてヒジョーに早く取り込むことができる感じ。
しかもスキャンと比べて想像以上に精細に撮れてるし。
うーん、フィルム専用のスキャナーとは言え、自分の持っているMINOLTA DiMAGE Scan Elite 5400は2003年の発売。
定価105,000円もする高価なフィルムスキャナーで、5400dpi(7800×5232)およそ4,000万画素でスキャンできる、当時としては十分すぎるスペック。
5400dpiの場合、Digital ICE(ほこり・傷補正機能)を使うと恐ろしく時間がかかるうえ、ファイルサイズが巨大になるため、通常はDigital ICEを使用しながら2700dpi(3900×2616) およそ1,000万画素でスキャンしていたけれど。
Windows7以降、メーカーからドライバのサポートを受けられなくなったものの、有志の方によりWindows7/8.1で使用できるドライバを公開されているので今でも使用可能であるけれども。。。。
フィルムスキャナーのように傷や埃を補正してくれたり、ネガをカラーに反転する機能はデジカメにはないけど、複製の早さと精度の高さから言ってデジタル一眼+マクロに軍配を上げざるを得ないよなぁー。
とは言えPENTAX FILM DUPLICATORは高いよな~って思っていたら
Nikon スライドコピーアダプター ES-1
何~?そんなのがあるんだ!
Pentaxのように中判は使えないけど3,000円台。
Nikonの製品だけど、52mmの径に合えばどんなレンズでもOKらしいので、α7IIにTamronのSP 90mm F/2.8 MACRO 1:1 (72B)で等倍撮影可能ってことじゃん!
SP 90mmの最短撮影距離は0.29m。
α7IIにSP 90mmをつけて等倍までレンズを伸ばすとおよそ20cm。なので撮影対象となるフィルムまであと9cmくらい。
Webの情報によるとNikon ES-1は4cmから6.5cmくらいまで伸縮できるので、残り2.5cm。
何か延長できるものはないかな~?って探してみると、ちょうどフードの長さが2.5cmで、しかもフード側にも前ネジがあるメタルフードがKenkoから販売されており、
SP 90mm(55mm)-Kenko メタルフード(レンズ側55mm フード側58mm)-ステップダウンリング(58mm→52mm)-Nikon ES-1(52mm)で複製環境を整えてみました。
レンズと被写体の間にメタルフードとステップダウンリングをかませるので、29cm先の被写体は正確に正面を向いているか心配だったけど、どちらもモノがしっかりしているので、そんな心配は必要ないみたい。
おかげでα7IIによる等倍撮影が可能になりました。
しかもミラーレスだけあって、背面の液晶でピント拡大できるので、ピント合わせがヒジョーに楽。
結果は・・・、
マクロの被写界深度の薄さとフィルム側の反りを考慮してf5.6〜f8くらいで撮影。
超大満足。
実際にMINOLTA DiMAGE Scan Elite 5400でスキャンしたものと比較してみると
上:MINOLTA DiMAGE Scan Elite 5400 下:α7II+SP 90mm
α7II+SP 90mmはMINOLTA DiMAGE Scan Elite 5400 の大きさに合わせてリサイズしていたり、ホワイトバランスの違いはあるけれど、精度の差は歴然。
こんな簡単にデジタライズできちゃうんだ。
今まであんなに時間をかけてたスキャンがこんな簡単だとは。
ネガはそのまま撮影するので、後でPhotoshopで階調を反転するなどスキャンしたデータより手数の多い現像作業が必要だけど。
ちゅーか、今までフィルムスキャナーでデジタル化していた写真、もう一度これで撮り直すかな。
ES-1でスリーブも撮影できるようにNikonのフィルムフォルダーを手に入れよう。