小雨の梓川SAで、「千葉県・市原」と書いた段ボールを持ってウロウロしている若者がいました。
ここは長野県の中央道。袖ヶ浦とかあっちの方までピンポイントに行く車なんて、そう簡単に見つからないから、結構要領悪いんじゃないの?
(好意に甘える割には、最初から高い要求を示してどうする?)
ヒッチハイクするくらいだからビンボー学生?それも相当旅好きなのかも。
(旅好きなら車内で楽しく盛り上がれるかも~)
1週間フロ入ってなくてプーンって臭いようだったらイヤだけど、見た感じそうでもなさそうだし。
(90分後には双葉SAで休憩だから、とりあえずそこまで様子見て、いいヤツだったらその先を考えることにしよう)
ということで、やっちゃんと相談して乗せてあげることにしました。
まずは「乗せてくれてありがとうございます」のお礼。
「諏訪湖SAでも双葉でも構いませんので」と謙虚な姿勢。
そして、何かビニール袋にガサガサと入れたお菓子類をさしだして「これ、よかったらどうぞ」(もらわなかったけど)
一応、乗せてもらうからにして、そこらへんの暗黙のルール(というより最低限の礼儀)はわきまえているようなので一安心。
ということで、この若者の素性を聞いてみましょう。
「これから市川に何しに行くの?」
市原に家があるので帰りの足を探してました。
(あ、どこか行った先の帰りなんだ)
「いつから車探してるの?」
午前中から2~3時間くらい。
(そりゃそうだろ、今日は連休明けの平日。しかも市原まで行く車があったとしても、見ず知らずの人を乗せて何時間も一緒に過ごすのは、尻込みするって)
「長野に何しに来たの?」
献血です。
(け、献血?)
「なんで長野まで献血しに?」
千葉の献血のスタッフとソリが合わないんですよ。なので、埼玉とか、よその県に献血しに行くんです。
(献血とは立派だけど、地元の献血のスタッフとソリが合う、合わないってそんな理由で長野まで献血しに来るって・・・・ 💦 )
「いつもヒッチハイクなの?」
いえ、電車だったりバスの時もあります。
(そういう場合もあるんだ。では、なぜ今回はヒッチハイク?お金が無いのかな?)
「学生?」
いえ、社会人です。でもこの前派遣切りで、現在無職です。
(なるほど、大変な世代だよな・・・・。でもそんな中、ヒッチハイクで長野まで献血しに来るのは妥当な判断なのか?)
旅の話で盛り上がるかと思ったら、完全に肩透かしを食らった感じでした。
以後、会話することもなく、こちらが「どうぞ」と渡したペットボトルのウーロン茶を、
「あ、ありがとうございます。今飲まずに取っておこう」
施しを当然のようにバッグにしまいこみ、あとの時間はビニール袋に詰め込んだお菓子類を黙々と食べているだけでした。
ヒッチハイカーとしては・・・・、どうなんでしょ。
結局予定通り、双葉SAに到着後、お別れしました。
もし、自分がヒッチハイクするハメになったら、どういうアプローチをするんだろう?
ちょっと考えさせられた一幕でした。